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作り手のことば「使って楽しい器を作る。それは最終的に使い手にも伝わっていく」陶芸家・紙上征江さんインタビュー

2023年12月01日

by 煎茶堂東京編集部

凛とした佇まいに思わず引き込まれる紙上征江(かみうえ・まさえ)さんの器。手に取ると器そのものが表情を持つようで、ともに時間を育みたいという気持ちが自然と湧き上がります。

今回は、煎茶堂東京でのお取り扱いに伴い、紙上さんにお話を伺いしました。

紙上さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、器を作ることになったきっかけを教えてください。

絵を描くことが好きで、うつわに絵を描いてみたいと思ったのがきっかけです。知り合いに陶芸家の先生を紹介してもらい、弟子入りに近いような形で、アシスタントをする代わりに空いた時間はその工房で作陶させてもらっていました。

作品を作る工程の中で、好きな工程と理由を教えてください。

ろくろで形をつくる工程が好きです。どんな形にするか作りながら自分のかたちを探っていくのがとても楽しい。

かつてメキシコに渡り、現地で作陶した経験もある紙上さんですが、現在の作品に影響を与えている点はありますか?

日本にいるとき、私の作るものは「外国っぽいね」と言われていたのですが、メキシコへ行くと「やっぱり日本人の作るものだね」と言われて困惑しました。

知り合いのメキシコの陶芸家から、日本には「間(ま)」の美しさがあると言われたことは印象に残っています。表現における引き算の大切さや、日本人としてのアイデンティティをメキシコへ渡って改めて考えたことは何かしら作品にも影響を与えていると思います。

今回取り扱う「ゴブレット」「カップ」はクラシカルな佇まいが、「MAHOROBA リム皿」はアンティークのようなテクスチャが特徴的です。幅広い作品が生まれる背景には、どんな思いがあるのでしょうか。

白く艶のあるうつわとアンティークのようなMAHOROBAシリーズは違う土を使い、色の出し方も全く違います。

一貫していない作風は作家としてどうなのだろうかと悩んだこともありましたが、洋も和も両方好きで新しいものも古いものも良いと思っているのが私。それが私の作品なのだと今は思えています。

現在、作品を作るときのインプット源となるものを教えてください。

1番は自然の中に身を置いてエネルギーをいただくこと。2番目は美術館へ行ったり、美味しいものを食べながらおしゃべりすることです。

器を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?

作業にならないように心がけて作ること。普段は、使って楽しい、喜んでもらえるものになるように意識しながらつくっています。それは器に伝わって、最後は使い手にも伝わると思っています。

今後挑戦してみたいことはありますか?

自然の中で過ごす時間を大切にしているので、山の中で半自給自足生活に興味があります。

紙上征江さんの作品

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